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おでんせ★CILもりおか cilmorioka.exblog.jp

どんなに重い障害があっても地域社会の中で自分らしく生きられるよう一緒に考え応援していきます


by おでんせ★CILもりおか
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『いまこそ優生思想を考える~強制不妊手術の歴史から』

仙台で行われた全国セミナーの最終日2018 5 30 日(水)に、強制不妊手術と優生思想に対するデモ行進があり、錦町公園~仙台駅までのおよそ2Kmを行進しました。
全国自立生活センター協議会人権委員会の呼びかけで行われたものです。
デモの目的は、なにも知らされず、同意もないまま、強制的に不妊手術が行われていた歴史を伝え、「障害は不良なことではない」「なくてもよい命はない」など、優生思想と闘っていくことをアピールすることです。
横断幕には、国は強制不妊手術の被害者に謝罪しろ。と書かれました。
シュプレヒコールでは、
・国は強制不妊手術の被害者に謝罪しろ
・産むか産まないかは自分できめたい
『いまこそ優生思想を考える~強制不妊手術の歴史から』_f0081153_22064969.jpg
・障害があっても子育てしたい
・なくてもよい命なんてない
・障害者の命と尊厳を守ろう
・共に生きるインクルーシブな社会を創ろう
と、呼びかけながらデモ行進を行いました。
午前は、『いまこそ優生思想を考える~強制不妊手術の歴史から』というシンポジウムがありました。
旧優生保護法(19481996)のもとで行われていた障害者の強制不妊手術。
障害者が、いかに著しい人権侵害を受けてきたか、学びました。
1948年から96年の間に、本人の同意を必要としない強制的な優生手術は16,000件以上行われました。その始まりは1940年。戦争に向けた国力増強のため、「国民優生法」が成立。当時、遺伝すると考えられた障害や病気のある人に不妊手術を促し、国民の質を高めようとしたのです。その考え方は戦後、「優生保護法」にも引き継がれます。敗戦からの復興を目指すなか、「不良な子孫の出生を防止する」目的で不妊手術が行われました。さらに、高度経済成長期になると、国は高い生産性を実現するため「人口資質の向上」を目標に掲げました。国内外での批判が高まり、ようやく優生保護法が改正されたのは、1996年のことです。
しかしその後も、手術を受けた人たちへの、国による謝罪や救済の動きはありませんでした。
20世紀、世界的に優生運動が広まり、さまざまな国で障害を持った人を生ませないようにする断種法が制定されました。1970年代ぐらいまでは『障害を持った人は子どもを作らない』という考え方が当たり前とされ、優生手術も当たり前のように行われていました。
国は長い間、「当時は合法だった」ことを理由に、謝罪や補償に動くことはありませんでした。
しかし20181月、手術を受けた宮城県の60代の女性が、国に損害賠償を求める訴えを起こし、事態は急速に動き始めました。
全国の自治体などに保存されていた資料が次々と発掘され、埋もれてきた事実が少しずつ明らかになってきています。
障害当事者からさまざまな発言が出てきています。「30数年前、施設に入るとき『生理がなくなるよう手術を受けたらどうか』と勧められた。
子宮の摘出やレントゲン照射によって、子どもを産むことも、月経も奪われてしまった。
施設に入所する時に、月経の介助の手間を減らす目的のために手術を勧められることがあった。
反対する看護婦がいたので免れることができた。
1996年。優生保護法は国際的な批判もあり、母体保護法へと改正された。
法律上、強制不妊手術はなくなった。しかし、岩手県に暮らす統合失調症のある60代の男性が手術されたのは、優生保護法の改正から7年後のことだった。
厚生労働省は、都道府県市町村に、「記録を探し出して保全するように」「同意は得たけれど障害が理由だった手術も対象にするように」調べる場所も行政機関だけではなくて、「医療機関や障害者施設など広い範囲を探すように」通知で求めている。

厚生労働省、それから都道府県に窓口が設置されているので、同じ思いをした人たちに、声を上げてほしい。
岩手県の窓口は、岩手県保健福祉部子ども子育て支援課

電話:019-629-5456 月曜日から金曜日 午前8時30分から午後5時15分(祝日・年末年始を除く)
ファクス:019-629-5464 24時間受付
メールアドレス:
AD0007@pref.iwate.jp 24時間受付

優生保護法のような、人権を侵害する法律があったことが、差別や偏見を作ってしまった。
国は、優生保護法は間違っていたと、それを認めて、被害者にちゃんと謝罪と補償をしてもらいたい。
不妊手術を強制されたという直接の被害の他にも、優生保護法は広く影響を与えた。
「障害をもつのは不幸」とか、「障害者が子どもをもつはずがない」というような偏見は、今も根深い。
障害を持った人、障害を持って生まれてくるかもしれない子どもは、この社会にあってはいけない、いない方がいい存在として見られている。
現在、出生前診断がだいぶ普及をしている。出生前検査を受けようとする方は、やはり、結果によっては中絶と考えている方が比較的多いと聞く。

国がいくら謝罪や賠償をしても、障害を持った人、障害を持って生まれてくるかもしれない子どもは、この社会にあってはいけない、いない方がいい。という空気がなくならない限り、私たちの苦しみは終わらない。


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by cil_morioka | 2018-05-30 19:49 | 運動 | Comments(0)